体験型授業④ お買物トピックス

投稿:2025年9月22日

お小遣い制のすすめ

【日常生活を習い事にするお小遣い制】

傾向としては、小学生になってからお小遣い制度を始める家庭が多いです。お小遣いをあげることは、金銭感覚やお金の管理能力を養い、計画力を身につけられるというメリットがあります。但し、事前準備が不十分であると、無駄遣いやお金への執着といった逆効果をもたらすことも。小学生のお小遣いは、1年生からあげる人が多い傾向にあります。低学年は管理能力が未熟なため、無駄遣いを心配する保護者様も多く、10歳頃からあげる家庭もあります。

・小学1年生〜小学2年生

平均金額は1,000円前後ですが、月500円というパターンが多い傾向にあります。※低学年の子どもたちには大人たちが使い方や管理のサポートが必要です。

・小学3年生〜小学4年生

平均金額は約1,000円強となっていますが、月1,000円というパターンが最も多くみられます。自分で計算しながらお小遣いを使えるようになる頃合いとはいえ、判断力に乏しい場合もあるため、保護者のサポートが必要です。

・小学5年生〜小学6年生

平均金額は約1,500円です。高学年になればお金の管理能力が育まれるため、保護者様はお子さんのお金の使い方に対して干渉を控え、時には見守ることも必要になります。

  • メリット4つ

1.お金の価値を学べる

もらったお小遣いの使い道を自ら考えることで、お金の価値を学べます。無駄遣いをしたとしても「限られたお小遣いなのに失敗してしまった」と実感することで、お金は大切なものだとわかり、判断力や計画性を学ぶ機会になります。保護者様のサポートも必要ですが、なるべく子どもたちに経験させてあげるのがおすすめです。

2.金銭感覚が養われる

金銭感覚とは、単に高い安いを判断することではありません。限られたお小遣いをどう使うか、何に価値を感じてお金を使うかといったことも大切な要素です。お金の大切さが理解でき、計画性や判断力が身につきます。欲しいからすぐに買うのではなく、必要なものを必要なときに買うという意識が重要になります。

3.お金の管理能力が向上する

何にいくら使ったかを自分で把握することで、計算にも強くなるでしょう。管理能力が向上すれば、計画的にお小遣いを使えるようになり、無駄遣いも防止できます。

4,買い物の経験が増える

子どもたちが自由にお金を使えるため、自分で買い物をするという経験を増やせます。自分でものを選び、買う決断をして、買ったものに責任を持つという一連の経験には、子どもたちにとって多くの学びがあるでしょう。買い物によって計算力や計画力が育まれるだけでなく、お店の人とのやりとりを通してコミュニケーション力も養えます。大人たちに買ってもらうのではなく、自分で買うからこそ学べるものがあるでしょう。

  • デメリット5つ

1,無駄遣いする可能性

定期的にお小遣いがもらえるという環境から、「お金は簡単にもらえるもの」という誤った認識をしてしまい、欲しいものをすぐに買ったり、金額の大小の判断ができなくなったりするかもしれません。無駄遣いを防ぐには、お小遣いをお子さんの年齢に合った金額にすることと、使い道やルールを事前に決めておくことが大切です。お子さんがきちんと管理できるようになるまで、保護者様のサポートが必要です。

2.お金への執着が強くなる

お手伝いをしたらお小遣いをあげる「報酬制」の場合は特に、ルールを明確にしておかないと、お金への執着が強くなってしまいます。行動することでお小遣いが発生する環境にあると、「お金がもらえないならやらない」というように、損得が判断基準になってしまうかもしれません。お金の損得は関係なく、人のために行動する思いやりの心を育むことも大切です。お小遣いがもらえるお手伝いを限定したり、定額制と報酬制をバランスよく組み合わせたりしましょう。

3.友達と比べて不満を持つ

小学生が友達同士で「お小遣いどれくらい?」という話になったときに、自分のお小遣いが少ないとわかると不満を持つ可能性があります。家庭の経済状況や教育方針によって、お小遣いの金額はさまざまです。自分が少ないこともあれば、友達が極端に多い場合もあるでしょう。お子さんに不満を持たせないためには、お小遣いを決めるときによく話し合い、お互いが納得する金額にすることが大切です。また金額だけを見るのではなく、使い道を一緒に考えてあげることが重要になります。

4.金銭トラブルに巻き込まれる

お金に対する判断力が未熟なために、金銭トラブルに巻き込まれる恐れがあります。たとえば友達との貸し借りや、ゲームへの多額の課金等。トラブルを防ぐには「友達間でお金のやり取りはしない」「課金はいくらまで」というようなルールを決めましょう。万が一トラブルが発生したときには、すぐに相談するように伝えておくことも大切です。

5.親の管理が必要になる

保護者様にとっては、お子さんがお小遣いを正しく使えるように管理する負担が生じます。お小遣いの使い道を把握しながら無駄遣いやトラブルを気にしたり、計画性やお金の大切さを教えたりする必要があるためです。そのうえで過干渉を控え、見守る姿勢も大切だと心がけておくといいでしょう。

  • お小遣いの渡し方3種

1,定額制

たとえば「毎週○円」「毎月○円」など、お小遣いを渡す日と金額を事前に決めておきます。定額制のメリットとして、お金の管理がしやすくなることと、計画が立てやすいことなどが挙げられます。注意点として、足りなくなったときの対応を事前に決めておく必要があります。さらに、保護者様がお小遣いを渡す日をきちんと守るようにしましょう。

2,報酬制

「お手伝いをしたら○円」のように、子どもたちの行動に対してお小遣いを渡す方法です。行動したからこそお金が得られるため、お金の大切さが学べます。何をしたらお小遣いが発生するのか、渡すタイミングはいつにするのか、事前のルール決めが重要になります。「お小遣いがもらえないならやらない」とならないように、お子さんにはお手伝いを強要したり完璧を求めたりせず、達成感を与えることを意識するといいでしょう。定額制と報酬制を組み合わせるのも、選択肢の一つです。

3,都度制

「都度制」は欲しいものや必要なものがあるときに、その都度お小遣いを渡す方法です。保護者様が使い道を把握できるので、無駄遣いを防げるメリットがあります。ただし、上限金額等のルールを事前に決めておかなければなりません。お子さんに言われた通りにお小遣いを渡してしまうと、「頼めばお金をくれる」という誤った認識を与えてしまいます。お金の使い道を聞いたうえで、妥当であるかを保護者様が判断するようにしましょう。

  • 親子で決めたいこと

・お小遣いの使い道

お小遣いの使い道は、必要なものと欲しいものをきちんと区別するといいでしょう。区別する際に、お小遣い帳を活用することでお金の管理がしやすくなり、保護者様も使い道を把握できます。ただし使い道に関しては、過干渉にならないように注意が必要です。子どもたちは自分でお金を使う経験によって、多くの学びを得ます。お子さんの考えを尊重し、見守ることも大切です。

・貯金や管理のルール

欲しいものがあるときには、計画的に「貯金」することを教えてあげましょう。お金の管理能力を向上させるためには、限られたお小遣いの使い方を子どもたち自身で考えることが大切です。万が一足りなくなっても追加しないといったルールを作り、お子さんが経験を積めるようにしましょう。

・お手伝いとの関係

お手伝いをしたらお小遣いをあげる「報酬制」にする場合は、どのお手伝いでいくらもらえるかを、事前に明確にしておきましょう。たとえば、自室の掃除は自己管理の範囲としてお小遣いは「なし」、リビングの掃除は家族のための行動と判断して「あり」など。お小遣いの有無が、子どもたちでも納得できる理由である必要があります。

・サポートする範囲

学校で必要なものは保護者様が購入して、お子さんが欲しいものはお小遣いで買うなど、保護者様がサポートする範囲を決めておきましょう。さらに、低学年の子どもたちはお金の管理能力が未熟なため、無駄遣いや金銭トラブルを防ぐためにも、管理自体のサポートも必要になります。

 

★過干渉に注意しながらお子さんの買い物を見守り、一緒に振り返って成功も失敗も共有できると、子どもたちのお金の管理能力はぐっと向上していきます。小学校の算数 「大きな数」についての理解が深まっていきます