「ADHDかも?」と悩む前にトピックス

投稿:2026年6月4日

「うちの子、ADHDかも?」と悩む前に…親が知るべき「本当のADHD」と「勘違いADHD」の決定的な違い(井上顕滋/非認知能力開発専門家)より抜粋

増加する親の不安「ADHDグレー」の背景にある共通点
子どもの「落ち着きがない」「集中力が続かない」といった様子に不安を抱える保護者が増えています。かつて「やんちゃ」で済んだ行動も、今では「もしかしてADHDかも」と専門家に相談し、「ADHDグレー」と診断されるケースも少なくありません。そうした家庭に確認すると、乳幼児期の環境に共通点がありました。それは、幼いうちからタブレットやスマホを制限なく使用させ、スクリーンを見る時間が非常に長かったということです。

■スクリーンタイム過多が引き起こす脳への悪影響は? 前頭葉と非認知能力へのダメージ

過剰なスクリーンタイムが「ADHDのような症状」を引き起こすことは多くの研究で示されています。ここでは科学的根拠として信憑性が高いものを1つ紹介します。

中国で約4.2万人を対象とした大規模研究(2022年)では、乳幼児期(0~3歳)の視聴時間が長いほど3歳時の多動傾向が強く、1日3時間以上視聴したグループでは、見ない子に比べ多動症状の出現リスクが4.62倍高くなることがわかりました。 前頭葉は「注意や集中力」「衝動の抑制」「計画や判断」など高度な認知機能を司る部位です。この調査を含む複数の研究から、乳幼児期にスクリーンを見せる時間が長いほど、この領域に発達の遅れが生じやすくなり、“ADHDのような”症状を強めると指摘されています。

年齢が上がると顕著な悪影響が現れないというデータもありますが、小学生のうちは脳が急速に発達する時期であり、過剰なスクリーン刺激のリスクは軽視できません。

大脳の約30%を占める前頭葉は、注意力、判断力、自発性、計画性、感情や理性のコントロールなどの、いわゆる非認知能力に深く関わっています。前頭葉の機能が低下すると衝動的な行動が増え、感情が不安定になり、学習面でも集中力が欠け成果が出にくくなるなど、様々な問題が生じる可能性があります。逆にいえば、スクリーンタイムを適切に管理することで、こうしたリスクを最小限に抑え、子どもの健全な成長を後押しできるとも考えられるのです。

「勘違いADHD」を防ぐ・改善する具体策
家庭で取り組みやすいのは、「ペアレンタルコントロール」で1日の使用時間に上限を設定することです。子どもの前頭葉は未発達であり、「自分の意思で時間をコントロールするのは難しい」という現実を親は理解する必要があります。

「いきなり取り上げると大泣きされる」などの問題がある場合は、「1日3時間→2時間半→2時間・・・」と段階的に使用時間を減らしてください。少しずつ制限をかけるだけでも脳への刺激量は確実に減ります。その上で、スクリーンから離れている時間に、前頭葉の機能を活性化させる有酸素運動を取り入れることも重要です。

米イリノイ大学が7〜9歳の子ども221名に行った調査では、放課後に運動をしたグループは衝動を抑える能力が約3.2%、注意の切り替え能力が約4.8%改善し、注意力に関係する脳活動の向上が認められました。このように子どもの場合でも、運動で集中力や自己コントロール能力を高められます。マインドフルネスにも前頭葉機能を向上させる効果がありとされていますが、子どもにとっては退屈な場合が多いため、まずは楽しく取り組める運動から始めるのが良いでしょう。大切なのは、少しずつスクリーンタイムを適切に管理し、前頭葉を刺激する活動を取り入れ続けることです。

最後に、「うちの子、ADHDかも」と悩んでいるなら、まずは一度立ち止まり、“本当のADHD”か“勘違いADHD”かを見極める視点を持ってみてください。先天的なものだと決めつけずに対処方法を模索することが大切です。

スクリーンを完全に「悪」として排除するのは非現実的ですが、「どのように向き合うか」「どのくらいの時間見せるか」を意識しコントロールするだけで、子どもの脳への影響は大きく変わります。同時に運動や遊びを取り入れることで、前頭葉をはじめとする脳の健全な発達をサポートできるのです。脳の発達の仕組みを理解し、生活環境を整えることは、リスクを防ぐだけでなく、子どもが本来持つ能力や可能性を伸ばすことにつながります。不安になりすぎず、前向きに、一貫性を持って取り組んでいってください。

(井上顕滋/非認知能力開発専門家)

 

●ひかり学園 長谷川

上記内容に全面的に共感はしませんが、長時間スクリーンタイムが及ぼす子ども達への悪影響は、これまで現場で感じてきましたし、毎年、益々増加していると思います。ゲームをやめるなら、徐々にではなく、それに代わる楽しく賢くなる時間の過ごし方を考えておき、スパッとやめた方が良いかと思っています。私の経験上、ゲームをやめると、なんと10日くらいで子どもの様子が変わってくる(表情がやさしく豊かになり、落ち着いた言動が見られる。外界への興味感心が向上する)のが分かりましたからね。それだけ悪影響を及ぼしていたのかなと反省しました。

※以下は【ADHD お小遣い制】という話題が多いので、余談です。

・お小遣い制にして、お買物や貯金を楽しむようになると、子どもは頭の中でたくさ~ん必死に計算します。宿題でやらされるより、主体的に学びますので、理解が深くなっていきますよぉ!何事も楽しく学ばないとね。

・ある駄菓子屋のおばちゃんの話>『駄菓子屋には1回30円のくじ引きがあって、それをやろうと、200円持ってきた4年生の女の子がいました。「おばさん、この200円でできるだけ、くじ引きさせて」と言ってきたそうです。「自分で考えてごらんよ」と言っても、分からなかったそうです。「180÷30だがね」と言っても分からない。一緒に来た2人のお友達も分からない。レジにて、持ってきたお小遣いのお金で教えたそうです。